歴史学者が見たウクライナ戦争

4月10日付け「産経新聞」に、歴史学者が見たウクライナ戦争が掲載されていたので、2人の歴史学者の見解を聞こう。 一、歴史家・国際日本文化研究センター教授の磯田道史 〈為政者の自滅「歴史の教訓」〉 2年前、新型コロナのパンデミックが始まった春に、…

遠軽高校入学者の実態

いよいよ今年度が始まり、久しぶりに遠軽高校のことを書きたくなった。4月1日に遠軽町民に配布された「広報えんがる」(4月号)をネットで見たところ、驚くべき記事が掲載されていた。それは、遠軽町長の「令和4年度施政執行方針」の中に、「文化を守り、…

最新・北方領土のロシア軍の現状

2月27日に題名「北方領土周辺でのロシア軍の戦略」という文章を作成したが、3月10日に発売された月刊誌「VoiCe(ボイス)」(4月号)にも、ロシアにとって戦略的重要性が増している千島列島での軍部隊の現状が掲載されていた。著者は元在ロシア防衛駐在官…

ウクライナ戦争で参考になる新聞記事

本日で、令和3年度が終了する。そうした中で、ロシアのウクライナ侵略により世界情勢の緊迫度が高まり、今は「ロシアの侵攻は世界を根本的に変えた」(例えば、ドイツは今年から軍事支出を引き上げて、米国と中国に次いで世界3位〈20年は7位〉にする)とい…

遠軽町の「音楽ホール」開館に向けた動き

遠軽町民が、待ちに待った「音楽ホール」の8月開館が間近になってきた。そのような中、今日の朝にオホーツク管内の友人から本日付けの「北海道新聞」が送付されてきた。 ◇ 〈風街だよりー吹奏楽のマチ 待望のホール〉 曲が終わり、管楽器がやんだ。大ホール…

プーチンの核威嚇とロシアの核戦略

ロシア軍がウクライナ侵略を開始した翌日の2月25日、吾輩は題名「ロシア軍によるウクライナ侵略の行方」を書いたが、その中で「産経新聞」に掲載された東京大学先端科学技術研究センター専任講師・小泉悠のコメント「第三次大戦の可能性は低いが、最悪の場…

表面的な友好事業の日露姉妹都市交流

3月12日付け「朝日新聞」(夕刊)に、見出し「ロシアと交流 悩む姉妹都市ーウクライナ大使館、一時『断然』を」という記事が掲載された。その前文記事には、 ーロシアのウクライナ侵攻を受け、在日ウクライナ大使館がツイッターで、ロシア国内の都市と姉妹都…

プーチンの世界観と国際政治への戦略

ロシアのウクライナ侵略戦争が始まって、今日で9日目に突入した。その間、プーチン大統領はどのような戦略を追求してウクライナ侵略を始めたのかと考えてきたが、やっぱり今週発売の「ニューズウィーク日本版」(3月8日号)に掲載された、見出し「プーチン…

プーチンの戦争は側近5人で決めた?

まさにロシアのウクライナ侵略が世界の注目を集める中、3月1日に会員情報誌「選択」が郵送されてきた。さっそく、ウクライナ戦争に関連する記事を探すと、非常に重要な記事を見つけたので紹介する。 ◇ 〈ウクライナ暴挙の「4悪人」ープーチン「密室会議」…

北方領土周辺でのロシア軍の戦略

最近のウクライナ情勢をめぐるテレビ討論番組では、東京大学先端科学技術研究センター専任講師・小泉悠(気鋭のロシア軍事・安全保障政策研究者)が「これだけウクライナ国境にロシア軍を集めて、何もしないで撤退をすることは考えられない」と発言するなど…

ロシア軍によるウクライナ侵略の行方

ロシア軍はついに2月24日午前5時(日本時間同日正午)、ウクライナに全面的な侵略を開始した。その3日前の21日には、ウクライナ東部の親ロシア派支配地域で名乗る「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」(ともに自称)の「独立」をプーチン大統領が一…

北京冬季五輪で輝いた選手と問題点

北京冬季五輪(2月4日から21日)が閉幕したので、昨年夏の「20年東京五輪」と同じように、購読している朝日・読売・産経各新聞のほか、毎日・日本経済・東京各新聞の記事の中から、世界が注目する選手や熱戦を紹介することにしていた。だが、紙幅の制約もあ…

ひとまず安心したウクライナ情勢

ウクライナ情勢が緊迫する中、2〜3日前から欧米メディアが「ロシアによるウクライナ軍事侵攻は16日の可能性が高い」と予測する報道があったので、今日は非常に緊張して朝を迎えた。しかし、昨日のテレビ放映の中で、14日にやたら長いテーブルの端に座った…

プーチンの本質とその対外政策の深層

ロシアが、昨年11月頃からウクライナ国境周辺に10万人規模の軍部隊を集結させたことで、北大西洋条約機構(NATO)は「ロシアの軍事行動はいつ起きてもおかしくない」と見ているで、世界中がロシア軍の動きを注視している。その背景には、NATOが200…

「言論の自由」の大切さを知ろう

吾輩はこれまで何回も、「言論の自由」の大切さを訴えてきたが、その考えを補完してくれる新聞記事を見つけた。その新聞は1月30日付け「産経新聞」の“新聞に喝!"である。 ◇ 〈「専制主義×言論の自由」再思再考を…京都府立大教授・岡本隆司(昭和40年生)〉 …

ドーピングの効果、やはりそうか

まずは、旧ソ連や旧東ドイツなどの旧共産圏が国威発揚のため、スポーツ界で横行していたドーピング(禁止された薬物や手法を用い、競技能力を不正に高める行為)に関する新聞記事(1月28日付け「朝日新聞」夕刊)から紹介する。大見出しは「ドーピング効果 筋肉…

中国の国家安全省と党中央政法委員会

最近、中国の情報機関における歴代の代表的な指導者を取り上げた新刊書「諜報・謀略の中国現代史ー国家安全省の指導者にみる権力闘争」(著者=中国現代史研究者・柴田哲雄、発行所=朝日新聞出版)を読了した。中国において、米国の中央情報局(CIA)や英国…

三重県は近畿地方か中部地方か

1月12日のネットを見ていて、面白い記事を見つけた。 ◇ 〈三重県は近畿地方?中部地方?孫の地図帳では「近畿」に 60代男性の戸惑いに県庁の回答は〉 三重県はいつから近畿地方に含まれているのか教えてほしいー。孫の地図帳を見て驚いたと語る60代男性から…

最近の考古学研究で解明した日本列島

最近の考古学の研究成果は目を見張るものがあるので、年末年始から新刊書「日本列島四万年のディープヒストリー」(著者=独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所主任研究員・森先一貴、発行所=朝日新聞出版、2021年8月25日第1刷発行)と、北海道…

地方の博物館は有効活用されているか

吾輩は以前から、地方の博物館に“冊子"が置かれていないことを批判してきた。その理由は、来館者の多くは見学時間が限られている旅行者で、そのため帰宅後に冊子を読んで、改めて“勉強したい"という願望があるからだ。 そのように考えている中で、12月27日付…

更生保護の父・原胤昭は手賀沼に眠る

我孫子市の歴史を研究している人たちの会報「我孫子史研究 2号」(編集・発行者=我孫子市史センター、2021年9月30日発行)を購入し、その中の論文「江戸最後の与力・原胤昭鵞湖望郷」(10ページ、村越禮子)を読んだ。明治時代の北海道開発史で、月形の樺…

知里幸恵の映画が製作されるという

ネットで12月11日付けの「北海道新聞」を見ると、見出し「東川を拠点に知里幸恵の映画製作 2023年公開へ 札幌出身・菅原監督」という記事が掲載されていた。そこで、例のごとく北海道の友人からその記事を送付してもらった。 ◇ 〈知里幸恵の生涯映画化ー…

吉村昭の名著「三陸海岸大津波」は読むべし

吾輩は、東京・荒川区の「吉村昭記念文学館」友の会会員であるので、冊子などが不定期で郵送されてくる。11月18日に郵送されてきたのは、開催中(10月16日〜12月15日)の企画展「吉村昭と東日本大震災〜未来へ伝えたい、震災の記録と人びとの声〜」の展示図録…

旧「シャクシャイン像」の建立の経緯

最近、千葉県柏市の古書店で「アイヌ民族抵抗史」(著者=新谷行、発行所=三一書房、1972年10月31日第1版第1刷発行)を購入した。著者の新谷氏(1932〜79年、北海道小平町生まれ、留萌高校・中央大学法学卒)は、アイヌの視点による“民族史"を見つめる…

アイヌと沖縄人は縄文人の末裔!

以前からアイヌと沖縄人は、縄文人の末裔ではないと言われてきたが、これを裏付ける記事が出てきた。それは、11月13日付「読売新聞」で、大見出しは「縄文人 宮古島まで移動?」である。 ◇ ー出土人骨に特徴/通説では交流なしー 沖縄県先島諸島・宮古島の長…

将来の北見〜札幌間の交通体系を憂う

ネットに注目する記事が掲載されていたので、また「北海道新聞オホーツク版」(11月9日付け)を地元の友人から送付してもらった。今回の記事の見出しは「北見ー札幌の都市間バス新規参入で2者競合」「コロナで乗客減また打撃/北見バス側が対抗策“消耗戦"危惧…

遠軽町「オホーツク文学館」の活用方

ネットを見ると「北海道新聞オホーツク版」(11月2日付け)に、遠軽町生田原に所在する「オホーツク文学館」のことが、見出しだけが掲載されていた。そこで、地元の友人から新聞記事を送付してもらったので、まずはその記事から紹介する。 ◇ ーオホーツク文学…

遠軽高校吹奏楽局の伝統継続を願って

今秋、久しぶりに遠軽高校吹奏楽局に楽器を寄贈(ユーフォニアムとトロンボーン)したところ、まずは校長先生から「『でんすけ3』のーJR北海道に支援が必要ーの論考の最後の件『北海道にとって、果たして鉄道を守る以上の公共事業はあるのか』に感銘を受け…

利根川沿いの布佐と布川及び柳田國男

最近、幕末の安政5年(1858)に出版された「利根川図志」(著者=医師・赤松宗旦〈本名・義知、1806〜62〉)を辿る、新刊書「利根川民俗誌 日本の原風景を歩く」(著者=元共同通信社記者・筒井功〈1944年高知市生まれ、上京後、松戸市、柏市、流山市…

日本の終戦が遅れた楽観的なソ連頼り

最近、インテリジェンス(情報収集・分析)の重要性を記した新刊書「第二次大戦、諜報戦秘史」(著者=産経新聞論説委員・岡部伸)を読了した。その中では、日本軍のシンガポール攻略、無謀なインパール作戦の背景、ダブリンとカブールからの緊急電報の中身、スウ…