北北海道の高校ラグビー部は消滅危機

まずは、3月30日付「北海道新聞/オホーツク版」を読んで下さい。

ラグビー部員 勧誘に力/管内全5高校15人確保できず〉

オホーツク管内の高校男子ラグビー部で、部員不足が深刻化している。3年生の引退に伴い、昨年全国高校ラグビー大会に出場した遠軽をはじめ、北見北斗、北見工業、美幌、湧別の管内全5校が試合のメンバーに必要な15人を確保できていない。近年、各校とも部員不足が悩みの種で、昨年のオホーツク支部予選には3校による合同を含め3チームが出場したが、新年度はそれすら難しくなる可能性があり、各校は新入生の勧誘に力を注ぐ考えだ。

ー中学に部なく他競技へ転向ー

「ナイスタックル」。3月中旬、北見北斗高のビニールハウスの練習場に、選手たちの声が響いた。男子選手は1年生6人、2年生5人の計11人。人数が足りず試合形式の練習はできないため、ダッシュやパス練習、筋トレに励む。部員11人中7人が高校から競技を始めたこともあり、主将の越智海晴さん(2年)は「部員数が増えれば、練習の幅が広がる。初心者も大歓迎」と強調。「4人以上の新入部員を迎えて、『北見北斗』として花園に行きたい」と力を込める。

同校以外では、北見工業高10人、遠軽高14人、湧別高13人、美幌高2人といずれも15人を下回る。中でも、美幌高は生徒、教員数の減少に伴い、本年度から部員募集を停止している。もともと、管内は高校ラグビーが盛んで、40年ほど前は8校にラグビー部があった。切磋琢磨を通じて、北見北斗高が全国大会で4度の準優勝を果たすなど実績を残してきただけに、再び盛り上がることを期待する声も多い。

もっとも、今でも子どもがラグビーに親しむ環境はあり、北見市遠軽、美幌両町に計4チームのジュニアチームがある。競技に打ち込む小学生は少なくないが、ラグビー部がある中学校はないため、続けたくても進学を機に他の競技に転向する傾向がある。今後、いかに高校ラグビーを盛り上げていくか。北見工業高ラグビー部の石田雄悟監督は「中学校の部活動の指導を地域に委ねる『地域移行』が進めば、高校ラグビーもより活発になるのでは」と見る。それまでは、新入生にラグビーの魅力を伝えたり、経験者を口説いて入部を促したりする地道な活動が部員増の鍵となりそうだ。

さらに、4月19日付「北海道新聞旭川上川版」を読んで下さい。

富良野ラグビー部、存続の危機 花園出場2回、部員わずか3人〉

富良野富良野ラグビー部が、存続の危機に直面している。高校ラグビーの聖地「花園」で繰り広げられる全国高校ラグビー大会に2度出場した伝統校だが、現在の部員数はわずか3人。来年4月の富良野緑峰高との統合を前に、OBら関係者は「伝統の灯を新設校にもつないでほしい」と、新1年生や緑峰高生の入部に期待を寄せる。

ー25年に緑峰高と統合、OBら「伝統つないで」

同部は現在、3年で主将の村上竜義さん(17)と2年の松下直生さん(16)に加え、緑峰高2年の渡辺粋都(いきと)さん(16)の計3人で活動している。緑峰高にはラグビー部がないことから、渡辺さんは、本年度は公式戦に出場できず、来年度の学校統合を心待ちにしているという。

3人は、富良野高教諭の田中彦好部長(63)と田巻光隆監督(46)のもと、日々練習を重ねている。村上主将は「ラグビーはさまざまなポジションがあるので誰もが個性を生かすことができる。気軽に見学にきてほしい」と呼びかける。

1949年の創部で、歴史は古い。2000年に悲願の花園初出場を果たすと、その後も02年に春の全国選抜大会、04年に2度目の花園に出場し、道内強豪校の仲間入りをした。

同部のOBで、94年から2009年まで監督を務めた田中部長によると、花園出場を果たした2000年前後は、部員が45人ほどだった。しかし、生徒数の減少に伴い部員数も減少。田中部長が再び母校に戻った21年度には、単独チームで出場できる最少の15人を割る14人になっていた。

23年度は13人だったが、この春、8人の3年生が卒業で抜けたほか、けがなどの理由で2年生3人が退部し、存亡の危機を迎えた。

全国高校体育連盟(高体連)は昨年、少子化に伴う措置として、合同チームの全国高校総体出場を認め、福井県代表は合同チームが出場した。田巻監督は「15人に満たなくても花園は目指せる」と強調する。

田中部長は「94年に監督に就いた時も、成績が低迷して存続が危ぶまれていた」と振り返り、「まずは一緒に戦う仲間を1人でも増やしたい」と話す。

同部OBで2000年に花園に出場した北海道ラグビーフットボール協会富良野支部の志賀光事務局長(42)は「ラグビーは人と人をつなぐスポーツ。富良野ラグビーをできる場所を残したい」と願う。

ということで、北北海道の高校ラグビー部は部員不足のために消滅の危機にあるが、ここからは北海道の中で最もラグビーが盛んであるオホーツク管内の高校について触れたい。前半の記事の中で、40年ほど前は8校にラグビー部があったというが、それは現在の5校に加えて滝上高、美幌農業高、常呂高と思われる。しかしながら、この3校は既に廃校、合併、廃部で消滅している。

そして遠軽高校ラグビー部を応援している身としては、新年度が始まると毎年ラグビー部に何人入部するかに関心を持つものの、他のライバル校である北見北斗高、北見工業高、湧別高の新入部員数にも注目してきたものだ。今年は、遠軽は11人(学区外から3人)が入部して計25人、北見北斗高は〇人入部して計〇人、北見工業高は6人入部して計16人、湧別高は〇人入部して計〇人ということのようだ。