北海道の高校生が減少している中で、今年の高体連主催の野球と陸上競技に関して、大いに疑問を感じた支部大会を指摘してみたい。そこで、まずは高校野球の予選に関して、その点を指摘した地元紙「北海道新聞」の記事から始めます。
①7月13日付「北海道新聞」オホーツク版
〈夏の高校野球・北北海道大会 新方式で課題浮上/オホーツク勢は費用負担増を懸念 長距離移動に伴い〉
12日の4回戦で紋別が敗れ、オホーツク勢の夏は幕を閉じた。今大会から、従来の支部予選制に代わる新方式を導入。これまで各支部で行われていた支部代表決定戦に相当する3回戦が旭川と帯広で実施され、出場チームは例年以上の長距離移動や宿泊を伴う日程を強いられた。
今大会の3回戦に進出したのは計32チーム。従来の北大会出場チーム数の2倍に当たり、これまで支部予選で敗退していた多くのチームが、他地域での試合を経験する機会を得た。
しかし、新方式を懸念する声もある。帯広で9日と12日に試合を行った紋別の江副翔太監督(30)は、「遠征費に余裕のある学校ばかりではないと思うので、費用の負担が難しくなる学校も出てくるのでは」と話す。
また、網南丘の草野彰吾監督(48)は「帯広や2028年に会場となる釧路だと、距離的に日帰りは難しい。今後は3回戦以降に敗退した場合、追加で1泊する形になるかもしれない」と語る。
長距離移動による選手への影響はそれほど大きくなかったという。草野監督は「普段から札幌や旭川への遠征があるため、選手たちも慣れていた」と振り返る。
新方式の導入による費用負担への対応が今後の課題となりそうだ。
②7月16日付「北海道新聞」オホーツク版
〈北見オホーツク/変化する高校野球〉
夏の全国高校野球北北海道大会は新方式が採用され、3回戦以降は旭川と帯広で試合が行われた。各地から球児が集い、熱戦を繰り広げる中、記者は出張取材で滞在するためのホテル探しに苦慮していた。
北大会のトーナメント表が発表された6月11日、オホーツク勢の試合が多い旭川のホテルを予約しようと、インターネットを検索した。しかし、どの旅行サイトでも、宿泊予定日には「X」が多く並んでいた。かろうじて見つけたホテルは1泊2万円以上と高額で断念。直接電話をかけた格安ホテルに部屋を確保して宿泊できたものの、繁忙期の宿を探すのは至難の業だと感じた。
オホーツクから出場した各チームも団体での予約に苦戦したという。2回戦の対戦校同士で宿を探し合ったり、早めに宿を予約したりと、さまざまな苦労を聞いた。
27年は旭川と帯広、28年は旭川と釧路と、既に北大会3回戦からの開催地は決まっている。各チームだけでなく、北海道高野連の対応にも注目したい。
ということで、今年から北海道の高校野球北大会は支部予選を廃止し、まずは6支部(旭川、名寄、釧根、十勝、北見、空知)内で1~2回戦を戦って「ベスト32」を決め、そこから戦後初めてトーナメント方式の3回戦と準々決勝を旭川と帯広で行うこととした。それに関しては、理由と利点、課題点という形で報じられている。
★理由と利点
・少子化に伴う参加校減少で、特に地方の支部予選の規模維持が困難
・都市部と地方の「勝ち上がりの差」を解消できる
・他地域のチームとの対戦機会が増える
★課題点
・長距離移動や宿泊費などが新たに生じ、遠征費の負担が増える
・慣れない開催地での確保が難しい
・全校生徒や父母会による集団の応援が困難になる
以上のように、今年から実施されている北大会の新方式や課題を取り上げてみました。その中で吾輩が一番問題にしたいのは、稚内のチームが帯広や釧路で試合することで、これまでは根室のチームが旭川で試合をすることに同情していたが、これからは稚内のチームも同情しなければならなくなった。
そもそも、北大会でトーナメントの一本化した背景には、名寄支部の参加チームが少ないので、他地域との公平感が保たれないからと理解している。調べてみると、昨年は旭川17チームで4ブロック、名寄5チームで1ブロック、釧根12チームで2ブロック、十勝14チームで3ブロック、北見11チームで3ブロック、空知12チームで3ブロックということで、何ら名寄支部代表が優遇されているようには見えない。それを考えると、これだけチームを長距離移動させて、遠征費の負担を増される理由にはならない。ただ、将来的に名寄支部の参加チームが少なくなったなら、上川支部に吸収すれば事足りることではないか、というのが吾輩の見解である。
次は、同じ高校生の陸上競技大会に移るが、ここでも高校野球名寄支部と同じ問題が浮上している。最近、今年の「第79回北海道高等学校陸上競技選手権大会」(帯広の森陸上競技場、6月16~19日)のプログラムを入手したが、そこで一番驚いたのは「名寄支部」の選手の少なさであった。北海道では、10支部(函館、室蘭、小樽、札幌、空知、旭川、名寄、十勝、オホーツク、釧根)で大会を開いて、ほぼ6位以内の選手が全道大会に出場する権利を獲得する。ところが「名寄支部」の全道大会参加人数が男子30人、女子13人だけであったので、支部大会の参加人数を見ると男子45人、女子15人だけであった。そこで、果たしてこれだけの人数で「名寄支部大会」が開催できるのか、と考えたことからネットで調べてみた。ここで、男女種目別の最下位順位(出場選手)を紹介するが、ただ8位の場合には、それ以上の参加者がいることを考慮して下さい。
〔男子〕
ー100㍍6位、200㍍6位、400㍍6位、800㍍8位、1500㍍8位、5000㍍3位、110㍍H2位、400㍍H1位、3000㍍障害1位、5000㍍競歩1人、400㍍リレー3位、1600㍍リレー2位、走高跳1位、棒高跳0校、走幅跳8位、三段跳1人、砲丸投8位、円盤投8位、ハンマー投5位、やり投8位、八種競技1位ー
〔女子〕
ー100㍍5位、200㍍3位、400㍍1位、800㍍2位、1500㍍0人、3000㍍1位、100㍍H2位、400㍍H1位、5000㍍競歩2位、400㍍リレー1位、1600㍍リレー0校、走高跳0人、棒高跳0人、走幅跳5位、三段跳1位、砲丸投1位、円盤投2位、ハンマー投0人、やり投3位、七種競技0人ー
ということで、出場した選手はほぼ全道大会に出場する権利を獲得でき、これでは「第78回高体連名寄支部陸上競技選手権大会」(士別市、5月16~18日)を開催する意味がないではないか。と同時に、近隣の「旭川支部大会」に出場すれば、選手たちも切磋琢磨して良い経験を得るのではないか、と考えたわけである。
ついでに言うと、今年の「滋賀インターハイ」陸上競技のタイムテーブルは、日本陸連が昨年3月に「WBGT(暑さ指数)31度以上の場合、ウォーミングアップを含めた活動の停止」などを決定したことで、競技開始を18時とし、競技日程を2日間延長して7日間とした。それに付随するが、出場する選手数が多すぎるということなので、以前にも書いたが北海道と四国は3位まで、さらに東北や南九州なども4位とか5位までがインターハイ出場する権利を認める時期にきているようだ。そのようなことで、これから少子化によってスポーツや文化活動に大きな変革をもたらす時代に突入したとも言える。