遠軽町の地理的なあれこれ

久しぶりに北海道遠軽町の話題を取り上げる。今月21日、高規格道路「旭川紋別自動車道」(約130㌔の計画道路)の遠軽瀬戸瀬インターチェンジ(IC)〜遠軽IC間6・8㌔が開通したことで、遠軽市街地から北海道縦貫自動車道・比布までの98・5㌔がつながった。

さらに翌22日には、遠軽ICに隣接して、地上2階建ての道の駅「遠軽 森のオホーツク」(道内125番目、町内3つ目)がオープンした。建物は延べ床面積約1600平方㍍で、1階には特産品販売、食事スペース、観光インフォメーションを備え、2階は「ロックバレースキー場」のロッジも兼ねるユニークな造りだ。また、191台分の駐車場、スキー場も整備したので総事業費は約27億円というから、町としては近年まれにみる公共事業と言える。だから、吾輩も街の宣伝を兼ねて書いてみた。

ということで、遠軽市街地から旭川中心部まで、楽に1時間半で到着する距離になった。そこで、以前から疑問に感じていたことを記す。

まず一点は、遠方の釧路地方裁判所が、遠軽町を管轄区域にしていることだ。もしも吾輩が遠軽町に居住して、釧路市に赴く場合、絶対に当地に宿泊する。その理由は、釧路に行くルートは色々あるが、時間的には間違いなく3時間半はかかる。それを考えたら、とてもでないが1日往復7時間も運転する体力がない。

ところがである、遠軽町と同じ紋別郡の内、紋別市を始め滝上町興部町雄武町西興部村を管轄区域するのは、釧路ではなく旭川地方裁判所であるのだ。どういう経緯で、紋別郡の市町村が分離したのかは知らないが、それほど問題がないならば法令を変えて、旭川地方裁判所一つにするべきだ。つまり、遠軽紋別地域の遠軽町湧別町及び佐呂間町(常呂郡)は、釧路地方裁判所から旭川地方裁判所に管轄区域を変更するべきと言っているのだ。

2つ目は、国や道庁はオホーツク管内の交通経済圏が、網走・北見地域と、遠軽紋別地域に別れ始めていることを認識しているのか。詰まるところ、最近の高規格道路延伸の結果、常紋トンネルを境に南北というべきか、東西というべきか、交通の流れが完全に分離しているが、その交通量は予測範囲であるのか。そして、遠軽〜北見間の道路は、今のままで良いと考えているのか、ということを問いたい。そのような疑問を持つのは、道都・札幌に赴く場合に、網走・北見地域の住民は帯広経由で、遠軽紋別地域の住民は旭川経由で赴くことが、これからますます多くなるからだ。

吾輩などは長年、網走・北見地域と遠軽紋別地域を網走管内ということで、一体的に見て親しみを感じてきた。ところが、このまま推移すると明らかに地域経済圏が異なり、将来的に14支庁の見直し作業が始まると、オホーツク管内は南北に分離される可能性がある。それを考えると、2つの地域を結んでいる石北本線は、今後ますます重要な位置付けになる。

いずれにしても、道都・札幌からオホーツク海沿岸に向かう場合、遠軽町経由が最短距離になった。しかしながら観光旅行で行く場合、滝上、紋別、湧別、遠軽、そしてサロマ湖を南下して常呂、網走に至るルートを推薦したい。要は観光旅行の場合、最短距離を走るのではなく、多少遠回りで走る方が、新たな発見があり、楽しい旅行に繋がることは間違いないので、北部オホーツク管内の旅行経路を紹介してみました。