遠軽厚生病院の産婦人科医師、どうにかならないのか?

紋別市の日刊紙「北海民友新聞」(7月23日付け)の見出しで、「どうなる分娩受入れ、遠軽厚生10月から産婦人科1人へ」が頭から離れない。この問題は、今年初めに地元の友人から聞いていたが、詳細までは知らなかった。まずは、記事の一部を引用する。

遠軽厚生病院の産婦人科の常勤医師が、今年10月から3人から1人へ大幅減少する。このため、現在の365日24時間対応や年間350例ほどある分娩受け入れの継続は困難になる。紋別市長と遠軽町長は、厚生労働省や北海道知事に陳情し、医師確保への協力を要請したが、見通しは不透明だ。

遠軽厚生病院における年間出産数は約350人で、東紋在住者、西紋在住者、里帰り出産でほぼ120人ずつ3等分されるという。10月以降、例えば里帰り出産の受け入れを中止したとしても、残り全員の受け入れは物理的に困難と見られる。

○網走厚生病院も常勤医師は2人のみで北見に頼っている状況。その北見では、日赤北見病院が常勤医師4人で年間300例、中村記念病院が常勤医師6人で年間800例を扱っている。他の民間病院を含めても余力はそれほどなく、遠軽で宙に浮く約240例が北見に集中すると、北見の産婦人科がパンクする可能性が出てくる。

今の日本、かつてない少子高齢化社会へ突入しようとしている中で、このような状況は許されるのか。また、オホーツク管内は、日本の中でも少子高齢化が進み、ほとんどの市町村は毎年死亡数100に対して、出生数は100以下で、中には50以下がかなりある。つまり、人口がどんどん減少する状況になっている。その中で、出生数を確保することは、オホーツク管内の市町村にとって、まさに“市町村存続"に関わる問題である。

また、オホーツク管内では、JR石北線の金華、上白滝旧白滝、下白滝の4駅が、来年3月のダイヤ改正時に廃止になるなど、居住環境も悪化している。そして、今回の産婦人科医師の問題、まさに“なにをか言わんや"である。

要するに、産婦人科医師の必要人数は、事前に国や北海道は把握出来るはずで、地元首長がわざわざ上京して陳情する問題ではない。つまり、“無駄な公共事業"ではないが、“無駄な上京"をさせて、どのような意味があるのか。地方自治体は、無駄な支出をしないで、地域経済の自立に向けて邁進させるべきだ。