JR北・四国の若手離職者の多さよ

JR北海道を応援するため、日頃から希望が持てる記事を集めるが、紹介できる資料がなかなか見つからない。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大で、乗客が大幅に減少した昨春からは、収支が大幅に悪化した報道しかお目にかかれなくなった。そうした中で、またまた驚くニュースが「読売新聞」(3月11日付け)で報道された。

〈JR北・四国 若手離職ー新卒6割相当 経営先行きに不安〉

経営再建中のJR北海道とJR四国で、新卒採用の6割に相当する人数の若手社員が相次いで離職している実態が明らかになった。10日の衆院国土交通委員会で、国民民主党の玉木代表の質問に対し、国土交通省が明らかにした。

同省によると、JR北の2019年度の新卒採用数は265人だった。一方、同年度に自己都合で退職した社員数は165人で、うち96%にあたる158人が10〜30歳代の若手社員だった。JR四国も深刻だ。19年度の採用者数は123人だったが、同年度の自己都合退職者は75人で、うち88%にあたる66人が10〜30歳代だった。

20年度もJR北で183人、JR四国で50人がそれぞれ自己都合退職する見込みで、9割以上が10〜30歳代だ。経営の先行きに対する不安感が強まっており、同業他社と比べ給与が安いことも離職者の増加を招いているとの見方がある。

2社の経営は以前から厳しく、コロナ禍でさらに悪化している。政府はJR北に1302億円、JR四国に1025億円の追加支援を実施しようと、関連法案を開会中の通常国会に提出している。

赤羽国交相は「JR北は(財政破綻した)北海道夕張市役所より給与水準が低く、転勤もあるので、地元の役所に行く道が選ばれている」と述べ、待遇改善が必要との考えを示した。

給与の低さと将来を悲観して、これだけ若手社員の離職者が多いのか、と考え込んでしまう。そして、この報道に対して、ネットで次のような体験談が書き込まれていた。

元北海道の社員です。

それも、気動車だけを集めた某苗○○○所ってところで、検査や修繕をやってました。

パワハラは当たり前で、昔気質が多く、それに憧れた先輩、更にそれに憧れた自分より一年、二年年上の人が数多く居る職場でした。

怒声、罵声は当たり前、ヘルメット越しではあるがハンマーで殴られるといったのは当たり前、更に鬱になっても職場の係長や所長的な人たちは、お前は弱いとか場馴れしろなどなど毎日の様に言われました。

一分一秒、遅れも許されない鉄道業では有るが、自分にとっては苦痛でしかなかったです。

何故、新卒の離職率が高いのか…は分かりませんが、少なくとも、自分が居たJR北海○の苗○運転所検○科という所は上記の感じです。

恐らくは企業全体がそんな感じでは有りますが、入社前に抱いてたドキドキワクワク感は入社式から2ヶ月で終わりました。

何となく、JR北海道の元社員の書き込みが理解できる。つまり、若手社員の離職者が多い背景には、経済的な理由の他に、職場環境が悪いのではないか、と考えたのだ。

それでは職場環境の悪さとは何か。やはり、労組の異常性を挙げなければならない。JR北海道では、革マル派の影響下にあるJR総連傘下のJR北海道労組(北鉄労・組合員5500人)が組織率9割以上を占め、JR北労組(組合員440人)、国労北海道(同50人)などを寄せ付けない圧倒的な組織力を維持しているという。そのギスギス感が、特に若い社員に影響を与えていることが想像できる。

次は、赤羽国交相の発言にあるが、JR北海道も道庁と同じ位置づけではないかと感じた。つまり、北海道では道庁よりも札幌市役所など、地元の市役所の人気が高いという。なぜなら、道庁に入るとどこに配属されるかわからないので、以前から新卒者が道庁を避ける傾向が問題になっていた。例えば、人口が多い道央(札幌市など)の出身者が、根室、網走、稚内などと北海道の端に配属されたら、耐えられるのかと考えてしまう。一概に北海道と言っても、道央と奥地では色んな面で生活環境が違いすぎるからだ。

とはいうものの、JR四国でも若手社員の離職者が多いことを考えると、やはり給与の低さは無視できないようだ。しかし、JR北海道の昨年4〜12月までの区間別収支によると、赤字額は597億円と、前の年度の同じ時期よりも232億円拡大している。また、JR北海道のグループでも311億円の赤字(前年同期は55億円の赤字)である以上、社員の給与を上げることは難しいようだ。だが、鉄道事業にとって、利用者の“安全安心"に応えることが最も重要である以上、少しでも若手社員の離職者を減らさなければならない。それを実現しなければ、将来的には社員の年齢構成に“いびつ"を招いてしまうからだ。2031年3月に予定される北海道新幹線の札幌延伸まで、JR北海道自体も色んな問題を抱えているが、そこは国も道もそして地元自治体も、今は“JR北海道を支える時代"であることを自覚してほしいのだ。