最後の国立競技場を見学してきた

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一昨日の金曜日、野暮用で都内に出掛けることになった。そこで、取り壊し前の国立競技場を見ておこうと考え、カメラを持参して出掛けた。

午後1時10分ころ、国立競技場の入口に到着したところ、何やら約50人の行列が出来ている。行列の前方には「ツアー受付」の紙が掲げたテーブルがあり、女性が「午後1時30分から受付ます」との案内をしていた。そこで思い出した。そうだ、今“国立競技場の見学ツアー"を実施しているのだ、と。さっそく、ツアーに参加することを決め、行列に加わった。

受付は、予定の時刻から始まり、受付の女性に参加費千円を支払うと、「10055」と印刷されたパスカードが手交された。競技場内の会議室に入ったところ、既に現在の国立競技場の建設工程を紹介する「記録映像」が流されていた。その後も、参加者が続々と入室し、ついに会議室が一杯になった。

午後2時になり、案内人の女性から、

○皆さんご存じのことですが、この国立競技場は、7月から取り壊しが始まります。と、いうことわけで、このツアーもあと3日で終了します。今日も午前中のツアーが500人、そして、この午後のツアーも同じくらいの参加者があるようです。

○皆さんが、首から掛けているパスカードの数字は、今年1月から始まったツアー参加者の通し人数です。

○ツアーは、これから1時間30分を予定しています。コースは、1964年東京オリンピック優勝者名盤、1991年世界陸上優勝者名盤、正面スタンド・選手更衣室・貴賓室・織田ポール、「出陣学徒壮行の地」碑、最後は聖火台を見学します。

○今日は、テレビ局とラジオ局の取材が入ります。

との挨拶があった。

続いて、取材クルーのテレビ朝日側から「顔を撮られたくない人は、下を向いてください。顔を出したい人は、積極的にテレビカメラの前に出てください。放送は来週の水曜日を予定しています」旨の挨拶、更にFMラジオ局側から「ラジオなので、顔は出ません。放送は、来週木曜日を予定しています」旨の挨拶があった。

ツアーは、予定通り進み、午後3時20分ころ、聖火台下のスタンドで終了した。当日は、誠に清々しい天気であったので、記憶に残るツアーになった。

ところで、ツアーの途中、案内人の若い男性と話す機会があったので、私は持論を述べた。

○自分は陸上競技が大好きで、若い時には、よくこの競技場に来た。ところが、いつも正面トラックは向かい風で記録が出ない。新国立競技場は、是非とも選手も観客が喜ぶ競技場にして貰いたい。

○日本という国は、3年前の福島原発事故を見てもわかる通り、意外に抜けている国だ。例えば、原発の補助発電機を海側に建設したり、津波の高さも最大10㍍前後で対応しようとしたり、今になって後悔している。

○その意味で、新国立競技場の建設も大変心配している。出来れば、自分も事前に設計図を見てみたいと思っている。

などと話しをした。

若い男性は、私の話しの主旨を良く理解した上で、「上司に伝えておきます」との返事をした。しかし、私は安心していない。新国立競技場が、本当に素晴らしい競技場として完成して欲しいと思うので、これからもこの問題に触れていきたい。