日韓関係を考える上で抑えておきたい朝鮮半島の過去

韓国の野党・保守派が、文在寅大統領の何に怒っているのかを知りたくて、新刊書「元韓国陸軍大佐の反日への最後通告」(著者=池萬元〈1942年生まれ〉、江原道出身)を読了したが、最も勉強になったことは、19世紀に欧米人や日本人、そして内国人が見た朝鮮半島の過去である。そこで、第三者と言える欧米人が見た朝鮮半島の実態を紹介する。

○ホレイス・ニュートン・アーレン(1858〜1932)はアメリカ人宣教師。

ーソウルは至る所が不衛生だった。〜そんな道を高級官僚たちは平気で輿や馬に乗って通って行く。衛生状態が劣悪なため、都や大きな村には絶えず伝染病が蔓延しており、都の人口の1割近くがコレラやペストで死ぬという悲惨な出来事もあった。

○ウィリアム・エリオット・グリフィス(1843〜1928)はアメリカ人の東洋学者。

朝鮮人はそのほとんどが文盲だ。〜あるイギリス人は、朝鮮で最も清廉だと言われている人物が、彼が今まで見た中で最も汚い人物だったと嘲笑し、朝鮮人は地球上で最も汚い人々だと述べた。ー

○クロード・シャルル・ダレ(1829〜1878)はフランス人神父。

朝鮮人は、「道という道に死体が散乱している」と国内の凄惨な状況について語った。朝鮮の政府は、中国や日本から食料を買うぐらいなら、いっそうのこと民衆の半分を死に追いやったほうがましだと考えているとしか思えない状況だ。ー

○ホレイス・グラント・アンダーウッド(1859〜1916)はイギリス出身で韓国の延世大学創立者

朝鮮人はよく迷信を信じる。平壌には井戸が一つもない。「井戸を掘ればそこにはまって沈んでしまう」という迷信があるからだ。彼らはみな大同江で水を汲んで飲んでいた。日露戦争で死んだ無数の死体が川に浮いている時でさえその水を飲んでいた。小さなできものができたので、簡単な外科手術で取り除こうとしたところ、メスやハサミを体に触れさせるのは儒教の訓えに背くと言って皆が反対した。王も同じように反対した。

○エルンスト・フォン・ヘッセ=ヴァルテッグ(1888〜1918)はドイツ人旅行家。

ー朝鮮の政府は数百年の間、民衆の間に世の中をより良くしようという衝動が起こるのを助けるどころか、抑圧してきた。なぜならば、朝鮮の両班支配層が封建的な秩序の中で、自分たちが受け継いだ奴ヒを思いのままに使役したり売買できる奴隷制度を維持しようとしたからだ。日本にあって朝鮮にないのは、忠誠心と愛国心と自己犠牲という高い理想を持つ学者と文化的集団だ。ー

○ジョージ・ギルモア(1856〜1940)は高宗時代のアメリカ人牧師。

ーこの国に来て最も驚いたことは、想像を絶する汚さだ。全世界の数多くの国々を巡ってきたが、地球上でこのように汚い国は初めてだ。朝鮮の都である漢陽の猥雑ぶりは実に形容しがたい。25万人の住民は迷路のような路地の地べたで暮らしている。

○マリ・ニコル・アントン・ダブリュイ(1818〜1866)はフランス人宣教師。

ー朝鮮の両班は平民に過酷な暴政を敷いている。両班は金が無くなると平民の物を搾取したり略奪するが、それを誰も止められない。官史や地方長官などの両班は畑や家を買っても金を払わない。これは慣習だ。朝鮮で最も悪辣な搾取階級はほかでもなく両班であり、朝鮮の王が民衆をより良く治めようとしても、両班たちがその間で権力を濫用して、横領と搾取を日常的に行っている。

○世界的に作家であるジャック・ロンドン(1876〜1916)は28歳の時に記者として朝鮮を訪れた。

朝鮮人はとても怠け者だ。朝鮮人は盗みが得意で自分より弱い者には強気だった。〜彼らは大きな豚一頭を頭に乗せて歩けそうなほど力が強い。日本人よりも体格が大きくて、がっしりとしている。しかし、西洋人ならば一人でできる仕事を、三人でやっていた。朝鮮には搾取する階級と搾取される階級という二つの階級しか存在しない。ー

○アルフレッド・チャールズ・ウィリアム・ノースクリフ(1865〜1922)はイギリス人の新聞社主、子爵、1921年に朝鮮を訪問した。

ー朝鮮の役人は皆泥棒だ。朝鮮の民衆は両班支配層が自分たちのものを当然の権利のように奪っていくことを知っている。民衆は両班支配層が泥棒であるということ以外は知らない。〜朝鮮には搾取する階級と、搾取される階級という二つの階級しか存在しない。古今東西、朝鮮ほど汚い所はない。中国の道路は異臭が立ち込めていると言うが、朝鮮では人々がウジ虫にまみれて暮らしている。ー

○アーネスト・ハッチ(1859〜1927)はイギリス人の政治家。1904年に日本・朝鮮・中国の旅行記「極東の印象」を発行。

ー朝鮮のすべての役人が略奪を日常的に行っており、収奪がこの国の法則のようになっているため、朝鮮人は努力することに魅力を感じていない。〜朝鮮の役人たちは国の心臓部を占めながら民衆の生き血をすする吸血鬼だ。ー

○アーノルド・サヴェージ・ランダー(1865〜1924)はイギリス人の旅行家・画家。

ー朝鮮の両班支配層は、民衆を、活気がなく、食べて寝てばかりいる無気力な怠け者にした。漢陽は春になると凍っていた汚物が溶けて、そこかしこに漂う異臭が凄まじく、自分の鼻がなくなったらいいのにと思うほどだった。ー

ということで、長々と19世紀の朝鮮半島を旅行した欧米人の見方を紹介した。その背景には、吾輩は若い時分に朝鮮の文化を知りたければ、日本の朝鮮支配前に旅行した欧米人の旅行記を読めば良いと言われていたからだ。しかし、現在に至るまで、ほとんど読まずにきたので、欧米人11人の旅行記を紹介したのだ。

また、現在の日韓関係のわだかまりを考えると、どうしても朝鮮半島の歴史や文化を知らないと、韓国人のものの見方の基本が理解できない。その意味で、もう百年以上前も昔の欧米人の旅行記であるが、現在に繋がるものの見方が見えてくる。その中で特に、

・朝鮮は想像を絶する汚い人々と街である。

・政府と両班は、長年にわたり民衆を抑圧し、奴隷制度を維持している。

・朝鮮には、搾取する階級と、搾取される階級という二つの階級しかない。

という部分は、いずれの欧米人も感じていたことで、我々は抑えておくべき事柄だ。それを考えると、長年にわたって朝鮮半島の歴史や文化を教えてくれた亡き在日韓国人の発言「朝鮮民族は可哀想な民族である」という言葉を思い出すのだ。