消えない中国・武漢ウイルス研究所への新型コロナ疑惑

新型コロナウイルスと世界が闘う中で、新型コロナは武漢市の市場のコウモリからヒトに伝染したことになっているが、米国では市場近くの感染症関連の研究所から病菌が漏れたとの疑念が強い。そうした見方の背景には、絶対に知っておくべき事件が旧ソ連で起きている。それでは、4月15日付の産経新聞を紹介する。

遠藤良介の「ロシアの深層

ー菌流出を隠蔽、全体主義の病ー

「肉を食べないように。菌に汚染されている恐れがある」。ソ連時代の1979年4月、ロシア中部スベルドロフスク(現エカテリンブルク)の住戸にはこんな趣旨のビラがまかれた。地元メディアも同様の報道を行った。

同月4日以降、現地の病院には高熱や呼吸困難の重症患者が次々と運び込まれていた。肺などに炭疽の症状があり、容体はきわめて急速に悪化した。ソ連医務総監ら専門家が現地入りし、「食肉からの炭疽菌感染」と断定した。

夫を亡くした遺族の回想によれば、病院では患者との面会が許されず、掲示板の重症者や重篤者のリストで容体を知らされた。自宅アパートには防護服姿の保健所員がやってきて室内を塩化石灰で消毒した。私服の治安機関員もやってきて夫の行動などを尋ね、「口外してはならぬ」とくぎをさした。夫のひつぎを開くことは許されなかった。

市内の病院にも旧ソ連国家保安委員会(KGB)の要員が張り付いて医師らを監視し、治療経過書などを没収した。

現実には、「食肉による感染」というのは偽情報工作だった。スベルドロフスクの軍事閉鎖地区「スベルドロフスク19」にある軍の細菌研究所から炭疽菌が流出したのが真相である。研究所の職員がフィルターの外れた状態で動かしてしまい、排出された炭疽菌が風に乗って拡散した。当時の風が吹いていた方角に感染者は集中していた。

こうしたことが明らかになるのは、91年のソ連崩壊で言論が自由になってからである。当時の研究所関係者や調査を行った専門家らが真相をメディアで語り始めた。ソ連は72年の生物兵器禁止条約に違反して生物兵器の研究を続いていた。

死者は公式に64人とされるが、実際にはもっと多いとの見方も強い。感染源が正しく明かされていれば、救えた命があっただろう。当の研究所職員や軍人には即座に血清治療が行われ、1人の死者も出なかった。

この一件を思い出したのは、新型コロナウイルスの問題で時折、ウイルスは中国・武漢市の研究所から流出したーとの説が浮上するからだ。ウクライナ国家安全保障・国防会議の書記が3月上旬、「ウイルスは研究所から流出したと、われわれはみている。(感染源として)動物を悪者にすべきでない」と発言した。

根拠のない説に加担することはできない。しかし、中国がウイルスの発生を数週間以上も隠し、医師らの口を封じたことで被害を広げたのは紛れもない事実である。公職者が人命よりも保身やメンツを優先し、情報を隠蔽するのは、中国にもソ連にも共通する全体主義の病にほかならない。

強権で武漢封鎖を行った中国が感染拡大のピークを脱する一方、ウイルスは欧米などに広がって猛威を振るっている。初動に失敗した中国は今や活発な医療支援外交に転じ、高官が恩着せがましい発言までしている。コロナ収束後の世界を見越し、中国型体制の優位を宣伝する思惑であろう。

むしろ、言論の自由や個人の尊厳がないがしろにされる体制が称賛されることなどあってはならない。ソ連の場合と同様、武漢ウイルスについても、今は知り得ない真相が表に出てくるときがくるのではないか。

(外信部編集委員論説委員)

というわけで、当初から「武漢ウイルス」の感染源は、武漢ウイルス研究所という情報が米国から流れていた。その背景には、現在の中国大陸の政府が旧ソ連と同じ“共産党独裁体制"ということもある。つまり、同じような体質や国家システムであるからだ。

それでは、武漢ウイルス研究所が研究していたと思われる生物兵器とは、どのような性質があるのか。

①短期間で致命的な感染症を起こす

②ヒトからヒトに感染(伝染)しない

③有効な治療薬・ワクチンがある

④使った後での環境修復が容易

要するに、炭疽菌は①②③の条件は満たしているが、④が満たされていないので、新たな生物兵器武漢ウイルス」を研究していた可能性があるのだ。

そのような文章を作成していたら、また新たな情報が、本日(17日)付けの産経新聞に掲載された。

新型コロナウイルスをめぐり、感染が初確認された中国湖北省武漢市にある中国科学院武漢ウイルス研究所がウイルスの感染源である可能性が高いとの見方が米国で広がっている。FOXニュースは15日、事情を知り得る複数の関係筋の話として、ウイルスが研究所の職員に感染し、外部に流出したと伝えた。

FOXニュースによると、ウイルスを持っていた研究動物のコウモリから職員に感染し、この職員が武漢市内に外出して感染が拡大したという。

関係者がFOXニュースに明らかにしたところでは、中国政府は感染源が同研究所であることを隠蔽するため、当初、コウモリを扱っていた武漢市内の生鮮市場が感染源であると発表する一方、米国などを標的に偽情報工作を展開した。

同時に、中国政府は研究所のコロナウイルス研究のデータを改変した上、研究サンプルを全て破棄し、施設を完全洗浄するなどの徹底した隠蔽工作を実施したとしている。ー

このような情報がどんどん出てきており、いずれ真相が明らかになるであろう。その前に、我々はハーバード大学が「人との接触をできるだけ避ける行動制限対策が22年まで必要になる可能性がある」との分析結果を発表した以上、これから元気にこの危機を乗り越えて行かなけならない。我々は、長い、長い闘いが待ち受けていることを自覚しなければならないのだ!