JR北海道の駅は音楽で乗客アップを

JRは毎年3月、ダイヤ改正を行っているが、今年も3月14日に実施する。今年も、いろんなダイヤ改正があるが、吾輩的には常磐線が全線開通して、上野〜仙台間の特急電車「ひたち号」3本が復活することが一番嬉しい。常磐線沿線の居住者にとって、2011年3月に発生した東日本大震災で被災し、長らく長距離区間の特急電車を見かけないことは、非常に寂しいことであった。それにしても、約9年ぶりとは長い時間かかったものだ。

次に取り上げるのは、以前(2016年3月31日)に記したが、いよいよ常磐線の「佐貫駅」が「龍ヶ崎市駅」へ駅名改称する。その改称費用は、約3億9000万円を上限として、全て龍ヶ崎市が負担する。そんな多額の費用をかけてまで駅名改称する理由は、ただただ“市の知名度アップ"である。そもそも、1900年に「佐貫駅」は開業したが、当時の立地は馴柴村佐貫であった。その後の54年、旧龍ヶ崎町は馴柴村を含む6村を編入して市政を施行したが、駅名は変わらずに存在し続けた。

それにしても“市の知名度アップ"というが、人口約8万人の龍ヶ崎市にとっては、3億円以上の経費負担は大変なことだ。駅名変更には、駅の看板や路線図などの表示物、電車内の自動放送、券売機のシステム改修など多岐に及ぶという。なんだか、もったい金額であるが、自治体の知名度を上げなければ、あらゆることで“不利"になる以上、必要な経費なのかもしれない。

そう言えば、吾輩の街・我孫子市も負けていない。地元の高校生が、JR我孫子駅発車メロディーを地元ソングに変えようと、署名活動を行い7567人の署名を集めた。市側は「今年の市政50周年の記念事業として取り組む」としてJR東日本に要望したが、駅の発車メロディーとしては、小椋圭さんが作曲した「あびこ市民の歌」、お祭りなどでタタンタンの手拍子が入るにぎやかな「河童音頭」の「我孫子ソング」を考えているという。

そこで、吾輩は思い立った。JR北海道は2016年秋に「単独では維持困難」と表明したが、そのうち存続する方針の8線区の駅で、発車メロディーに“ご当地ソング"を活用してみてはと考えたのだ。例えば、遠軽駅発車メロディーは、遠軽高校校歌の作曲家は大中寅二であるので、本人の代表作「椰子の実」を採用する。でも、南国の歌は北国に合わないか?いや、この組み合わせは面白いかもしれない(笑)。

このほか、該当する市町村の“ご当地ソング"を、ネットで調べてみた。

稚内駅…「稚内」「稚内ブルース」「氷雪の門」「宗谷岬」「ふるさとは宗谷の果てに」など。他に「利尻水道」。

○名寄駅…ここは“ご当地ソング"という「サンピラー」か。

○網走駅…やはり「網走番外地」であるが、発車メロディーにはふさわしくないか。他に「流氷の駅」「網走子守歌」「圭子の網走番外地」などがある。

北見駅…全然ないが「ホルモンマジック」?近くの場所を歌った「石北峠」「温根湯雨情」がある。

○上川駅…層雲峡温泉の出入り口であるが全くない。でも、最近アイドルグループ「AKB48」が野外撮影したという。

根室駅…「花咲港」「北海めおと節」「根室の辰」。さらに「納沙布みれん」「オホーツクの舟唄」など。

釧路駅…この街には、いろんな楽曲がありますよ。「挽歌」「釧路にて」「愛されて釧路」「夜霧の釧路」「釧路の駅でさようなら」「釧路の夜」「めぐり逢い」「釧路空港」「釧路みれん」「霧の釧路は恋の街」「釧路川」。でも、吾輩的には断然、石原裕次郎の「北の旅人」です。

○摩周駅…やはり「霧の摩周湖」か。他に「毬藻の唄」「黒百合の歌」など。

○斜里駅…ここはワンパターンで「知床旅情」。他に「知床挽歌」「オホーツク海岸」「知床岬」「岩尾別旅情」など。

以上であるが、こんなことをしても、乗客が増えないという意見もあると思うが、音楽の力、歌の力を軽視してはならない。もしかしたら、これらの楽曲を集めてCDが発売されるかもしれない。それによって、何らかの化学反応が起きるかもしれない。路線を維持するためには、カネがかからなければ、何でもやれば良いのだ。