新国立競技場は陸上トラックを残す、万々歳!

本日の新国立競技場に関する新聞報道には驚いたが、特に「朝日新聞」の詳細な記事は非常に参考になった。というのも、東京五輪の主会場である新国立競技場については、大会後に球技専門とする方針(吾輩は座席数を6万8千人から8万人に改修すると理解していた)を変更し、陸上トラックを残して陸上と球技の兼用にする方向で調整が進んでいるというのだ。

吾輩は、若い時から陸上競技ファンであるが、昔から陸上競技大会は観客が少ないので、五輪後に球技専用スタジアムとする方針・決定(17年11月14日関係閣僚会議)という報道に接しても、何ら反論が出来ないでいた。ところがである、「球技専用の方が収益が上がる」という当初の判断について、「見通しが甘く、拙速だった」というのだ。

もう少し、詳しく説明すると、

○ワールドカップ(W杯)を招致できる保証はなく、サッカー協会は、収益向上に向けた具体的な方策を打ち出せなかった。

○改修に最大100億円かかるとの試算が出たり、運営権を民間事業者に売却すると、年間30億の固定資産税がかかる可能性がある。また、収益の柱となるコンサートも、芝でない方が開きやすくなる。

○サブトラックを常設しなければ、大規模な陸上競技大会は開けない。しかし、日本陸連は最近、東京体育館の200㍍トラックをサブトラックとして使う策を検討している。

ということで、計画が変更になる可能性があるというのだ。そして、最後は「スポーツ庁のワーキングチームの議論中に分かっていれば、対応が違ったかもしれない」と結んでいる。

これまで、新国立競技場の維持管理費は年間約24億円と見込まれるので、Jリーグチームの本拠地になるとばっかり思っていた。しかしながら、ある雑誌に「国立競技場を日本代表以外の特定チームの本拠地にするのはいかがなものか」という意見が根強くあるという記事を読んだことがある。だから、日本サッカー協会は積極的に動けなかったようだ。そうです、新国立競技場は、あらゆるスポーツの日本一決定戦にふさわしい競技場であるのだ!また、そうであるべきだ!

それにしても、これだけ吾輩を始め陸上競技ファンをがっかりさせて、最後は「見通しが甘く、拙速だった」では済まされないであろう。でも、改修前に気がつき良かった。吾輩は、これまで新国立競技場の建設に関しては、何回も要望を書いてきたが、要は日本陸連の幹部に、どれだけ陸上競技を理解し、愛している人がいるかが問題なのだ。

もう半世紀前になるが、昔の国立競技場で観戦した「関東インカレ」のことが忘れられない。座席は、当然のごとくゴール前であるが、最初はゴール前にも多少観客がいた。ところが、途中から凄い雨が降ってきたので、見渡すと周りに観客や選手が一人もいない。全て、観客席の一番上にある屋根の下に避難していたが、それでも恥ずかしながら吾輩だけは、傘を差してゴール前に座っていた。それくらい陸上競技が好きであるので、今回の一転したニュースを如何に喜んでいるかが理解できると思う。

講釈はこの辺にして、まずは喜びたいが、再びこのニュースが一転しないかと心配しているのが吾輩であるのだ。