興部(おこっぺ)、イントネーションが面白いようだ

本日の「朝日新聞」を読んで、面白い記事を見つけた。その記事は「声の欄」の投書であるので、先ずはその投書を紹介する。

〈50年忘れなかった「おこっぺ」へ(北海道・59歳)〉

道北の興部へ行く機会に恵まれた。「え、どこ?なんて読むの」という声が聞こえてきそうだ。

広島県に住んでいた小学4年生の時のこと。社会科で北海道の地図を開いた際、担任の女の先生に「おこっぺを探しなさい」と言われた。「おこっぺ?」。給食のコッペパンのような名前ゆえ親しみがわく。私はおこっぺを探した。夢中になって。地図を見るのが好きになった瞬間だった。

そして50年近く経った今でも、おこっぺを忘れてはいなかった。

興部(おこっぺ)町はオホーツク海沿岸にあった。先日近くを旅した折、足を延ばしてみた。紋別空港に近く、流氷の観光船が出る紋別市の北に位置する。天気がよければ朝日も夕日も眺められる海辺の町だ。主な産業は漁業と牧畜であろうか。

強い風が吹く中「先生、やっと来たよ。探しなさいと言われた『おこっぺ』へ」とつぶやく。先生にお会いして報告したいが、すでに他界されている。

小学校の授業で一生忘れられない地名を知ることもある。若い先生方にお伝えしたいなと思った、私のささやかな体験である。

この記事を読んで、すぐに思い出したのは、友人の発言である。昔、この友人の職場に、興部高校を卒業した職員がおり、出身地を「おこっぺ」と言って笑うのだ。どうも、内地の者には、「おこっぺ」というイントネーションが面白いようだ。

そう言えば、平昌五輪のカーリング女子日本代表「LS北見」の選手たちが口にして話題になった「そだねー」も、北海道なまりということで、テレビ観戦する人たちの間で人気になった。我が輩などは、昔から語尾を上げる北海道なまりの言葉を数多く聞いているので、なんで人気になるのかよくわからなかった。

そこで、「そだねー」を図書館で調べてみた。増補改定版「北海道方言辞典」(著者=石垣福雄、北海道新聞社、1991年7月25日発行)には、「そだねー」という言葉はなかったが、「ソーダモナモ」という言葉があった。その意味は、「そうですとも(相手の言葉を肯定して自分の話を続ける)。」と解説し、さらに連語(いくつかの単語の連なったもの)と解説していた。つまり、「ソーダ」と「モナモ」という言葉でできているので、「ソーダ」という断定的な言葉に、「ねー」という言葉を付け加えて、相手の見解を尊重する言葉に変化させたようだ。まさに、団体競技であるカーリングには、ぴったりの言葉になった。

というわけで、聞き慣れない語尾を上げる北海道独特の“イントネーション"、“なまり言葉"、“方言"などを紹介したが、それらの言葉の背景には、アイヌ語の影響もあるのではないか?だが、我が輩は言葉の専門家ではないので、自分なりの主観で記しており、関心のある人は自分なりに勉強して下さい。

最後は、興部町の特産品を紹介したい。昔、友人の自宅で、パンに塗って食べたチーズが大変美味しかった。そこで、興部町を通った際に「道の駅」に赴き、このチーズを見つけたが、このチーズは「ある程度冷凍しないとダメ」ということで購入を諦めた記憶がある。絶品であるので、関心のある人は興部町に連絡してみては如何ですか。