遠軽町の人口2万人切りは秒読み段階

北海道の人口が減少する中で、遠軽町も例外なく人口が減少している。その結果、人口2万台という重みのある数字を維持出来ない日が近づいている。本年3月末の人口は、2万118人で、昨年3月末と比べると365人も減少しているからだ。ちょっと、加速がついている感じがしないではない。

その最大の原因は、死亡者数が出生者数を上回る「自然減」が、既に2倍以上になっていることだ。遠軽町の人口統計を見ると、平成25年度は死亡者数297人で出生者数は180人、同26年度は死亡者数309人で出生者数は158人、同27年度は死亡者数286人で出生者数は145人、同28年度は死亡者数294人で出生者数は133人、そして昨年度は死亡者数286人で出生者数は122人と、年ごとに両者の数が開いてきている。さらに毎年、高校を卒業する若者の9割が生活の糧を求めて大都会圏へ移住し、その後Uターンすることもなければ、人口が大幅に減少するは当然のことである。

筆者は3年前に、「遠軽町の人口が2万以下になる日」という文章を作成した。その中で、遠軽町の人口が2万人以下になる年月日を予想し、平成30年9月30日頃と翌31年6月15日頃とした。しかし、現実は予想の日付よりも早まる可能性が出てきた。つまり、2万人以下になるのは、秒読みに入ってきているのだ。誠に、残念無念というしかない。

3年前の文章でも触れたが、筆者が遠軽町の人口減少で一番心配なのは、遠軽高校の行く末である。人口が減少すれば、生徒数も減少することは、当然のことであるからだ。自慢ではないが、遠軽高校は北海道の片田舎にも関わらず、吹奏楽ラグビーが全国大会に10回前後出場している。だから、筆者も卒業生の一人として、多少の応援をしてきた。

それでは、生徒数はどうなっているのか。定員は200人(5クラス)であるが、今年は179人の入学者で、昨年以前も180人前後の入学者数に陥り、既に定員に達しない年がこの数年続いている。この状況が続くと、いずれ定員が160人(4クラス)に引き下げられる。そうなると、もう全国大会出場の話しではなくなってしまう。それだけに、筆者の危機感は大きいのだ。

余り悲観的なことだけを書きたくないが、やはり地域を盛り上げるのは地元住民ということになる。その中で、中心的な産業である農業、畜産業、林業水産業、商工業、そして観光業で頑張ってもらうしかない。要するに、行政を巻き込んで、新たな価値を生み出すことが重要で、それもこの地域でしか生産出来ない物や、この地域でしか体験出来ないことを考え出すことが必要だ。今の時代、何事も特色がなければ売れないし、誰も訪れないからだ。

いずれにしても、このまま遠軽町が衰退することを想像すると、何とも言えない気分になる。やはり、知恵を出し合い、勇気を持って挑戦することだ。このほか、既存の自治体の線引きにとらわれず、地域一体として施策を考えることも必要だ。更に、さらに遠い将来、遠軽地区と紋別地区の大合併が視野に入ることがあるハズだ。その際には、各自治体のエゴを排除して、対応することも必要である。既存の自治体が立ちゆかなくなってからでは遅いのであって、今から思考することも必要と思う。