アメフットと高校ラグビーに対する提案

筆者にとって、年末・年始のスポーツ観戦は、もう半世紀前からの楽しみだ。今年も、1月13日開催の「ラグビー日本選手権」の決勝戦で、その楽しみは終了した。そこで、我が輩が日頃から考えている、アメフット高校ラグビーの試合方式等について提案したい。

1.アメフットの日本選手権について

今年も、アメリカンフットボールの社会人と学生の優勝チームが対戦する「日本選手権ライスボウル」が、1月3日に東京ドームで開催された。優勝を飾ったのは、社会人王者で、これで社会人チームが9連勝した。この結果、ここ14年で13度の日本一は、社会人王者となった。

このような状況を受けて、筆者は以前から「アメフットも、ようやく競技スポーツとして、本物になった」と見ている。つまり、社会人王者が学生王者を圧倒して、本当に“成熟した競技スポーツ"になると考えていたからだ。その理由として、男子の肉体は二十代後半にピークになるのに、19歳〜22歳の学生チームに敗北するようでは、まだまだ競技スポーツとして“成熟していない"と考えていたからだ。

例えば、1970年代の「ラグビー日本選手権」は、社会人と大学の優勝チームが対戦したが、どちらが勝つのかわからず、好ゲームが多かった。ところが、年々双方の実力差が開き、ついに“社会人王者対学生王者"の「日本選手権」は96年度で終了した。

双方の間に、実力差がついた背景には、95年にアマチュア条項が撤廃されたことが挙げられる。そのため、社会人チームには“プロの外国人選手"が多くなり、97年度の日本選手権からは、社会人と大学の複数チームが参加するトーナメント方式に移行した。

即ち、アメフットの社会人チームも、アマチュアでないコーチや選手が増え、双方の実力差が開いている。しかし、このような状況になったことは、アメフット界にとって“歓迎すること"と言える。

という訳で、アメフットも、以前の「ラグビー日本選手権」のように、社会人と大学の複数チームが参加して、トーナメントで試合をする時期にきているのではないか、と言いたいのだ。

2.全国高校ラグビー選手権大会のAシードについて

全国高校ラグビー大会では、試合の組み合わせ抽選会の前に、AシードとBシードを決め、それから全ての組み合わせを決定する。この方式は、まさに公平・公正、けが防止、大会盛り上げのためで、正しい方式と考える。

その理由は、ラグビー競技には“まぐれ勝利"はないという背景がある。稀に、強いチームが敗れるが、そのほとんどが“主力選手の欠場"である。それくらい、ラグビー競技は波乱が少ない。

このことから、Aシード同士の対戦は、最後の最後まで伸ばすべきである。ところが、今大会では、抽選の結果と言え、準々決勝でAシード同士の桐蔭学園京都成章との対戦が組まれた。この段階での対戦に、非常に残念な気持ちになった。大会関係者が、双方をAシードに選んだ以上、中途半端な扱いをするべきではない。最強同士の決勝戦こそ、大会を盛り上げる最上の方式と考えるからだ。

3.北海道の高校ラグビー大会の地域割りについて

全国高校ラグビー大会には、北海道の南ブロックと北ブロックで優勝した2校が出場する。そこで、我が輩の提案を示したい。つまり、空知管内を南から北に移動するべきと考えるのだ。

実は、高校野球では、既に空知管内のチームは、2007年から北に入っている。その背景には、人口減少が南よりも北の方が大きいので、空知管内を北に移したという訳である。そこで、ラグビーも野球と同じように、空知管内を北に移すべきと考える。

試しに、空知管内を北に入れて、平成27年国勢調査の人口を合算すると、南は350万6千人(65.1%)、一方、北は187万7千人(34.9%)であった。これほど、南北で人口格差が開いている以上、早急に空知管内を北に入れるべきである。

なお、参考までに紹介すると、空知管内には「芦別高校」しかラグビーチームはありません。あしからず(笑)。