北海道新幹線の新駅名はいまだ決まらず!

昨日、2016年3月開業予定の北海道新幹線新函館(仮称)駅」の名称をめぐる問題で、函館・北斗両市の市長及び市議会の正副議長による3回目の協議を行った。協議後、双方は「どの名前でも真摯に受け入れる」「決定権はJR北海道にある」として、新駅名の決定をJR北海道に一任することを正式に決めた。ある面、当然の結果である。

一連の動きを見ていると、今までの混乱は何であったのか、と思ってしまう。私は以前、北斗市の動きが、余りにも自己中心的で、函館市に対する謙虚さがないと感じたので、函館市を応援する意味で文章を書いた。函館市の発展は、道南の発展に結び付く。だからこそ、観光客を呼び込み、人の交流を増加させるためには、古くからの都市で、世界にも知られている「函館」という都市名を単独で駅名とすべきと考えた。だから「新函館」という駅名を支持した。

ところが北斗市は、市議会で「北斗函館駅」を求める決議案を可決したり、市長や議員約10人が、公務として札幌まで押し掛けている。彼らは要請と言うだろうが…。

北斗市側は、自分たちのたち位置を“函館市あっての北斗市"と考えていないようだ。だから、函館市に対する配慮が全く感じられない。まさに“地域エゴ"“住民エゴ"の動きである。

北海道新幹線は、北海道全体を潤すために1兆円以上という公金を投入して建設している。だから私も北海道発展のために、真剣に提言している。

また、両市の議員の動きを見ると、自分たちの存在感をアピールするために、敢えて混乱させているのではないか、と疑ってしまう。このように見えるから、地方議会の存在を疑問視する有力エコノミストが出てくるのだ。

話題をJR北海道に変える。ネットで、今月15日付けの「読売新聞」北海道版の特集記事「労使改善待ったなし」を読んだ。読んでいて、頭に血が昇った。

内容はこうだ。2011年7月、JR北海道は社員に違法な残業をさせたとして、札幌労働基準監督署から是正勧告を受けた。労使協定で、「残業の限度を月45時間、年360時間としていたが、過去3年間で、延べ約800人が協定の規定を超える残業や休日出勤を行っていたことが判明した」という理由との事。

考えて欲しい。月45時間では、1日2時間。こんなふざけた労使協定を、JR北海道役員は労組側から認めさせられていたのである。だから、当時の労組を担当する総務部長・島田修(現、社長)は、更迭されて子会社に行き、更に社長ら幹部2人が自殺に追い込まれた。

一般社会では、仕事の量が減り、残業がなくなったために生活が苦しくなった人がいる中で、こんな労使協定を結んでいたのだ。今月の経済誌「ダイヤモンド」では、元外務省職員・佐藤優が「自分を顧みても300時間の残業が4ヵ月も続くというのは、やっぱり尋常じゃなかったですね」と吐露している。

要するに、東京の役所や会社は、そんなに優しくない。これは北海道特有の問題なのか、それとも労組の体質に問題があるのか。いずれにせよ、どこかに甘えを感じる出来事である。