新聞業界の由々しき問題

4日前、購読している読売新聞の集金人が来た。私が「現在、朝・夕刊セットで購読している世帯、朝刊だけの世帯、割合はどうなっていますか」と尋ねたところ、集金人は「うちの販売店では、朝・夕刊セットの世帯は、朝刊だけ世帯よりだいぶ少ないです。自分は朝刊280部台を配達しているが、夕刊は80部くらいです。今も集金の際に『夕刊は面白くないので、打ち切ります』と言われた」と説明。

更に一昨日、朝日新聞の集金人が来たので、同じ質問をした。集金人は「うちの販売店は、半々です。この地区は、朝刊280部、夕刊は140部を配達している。夕刊は文化面が面白いという人が多いです。でも今、集金に行った家で『4月に消費税が上がるので、来月から夕刊はいらない』と言われた」と説明。因みに、朝・夕刊セットは3925円、朝刊だけは3360円との事。

何故に、このような質問をしたかと言うと、ソチ五輪の期間中、夕刊に掲載された記事が、翌日の朝刊に形を変えて掲載される事が多かったからだ。例えば、男女フィギュア上位選手の得点表などだ。夕刊を読んでいる読者にとっては、何故に同じ記事が翌日の朝刊に掲載されるのかと思う。

私は、朝日・読売新聞が、以前から朝・夕刊セットの新聞にも関わらず、朝刊しか購読しない世帯がある事は知っていた。そこで、新聞社は夕刊を購読していない人のために、敢えて翌日の朝刊に再び掲載しているのかと考えた。要するに、新聞社としても朝刊だけの読者が多くなってきたので、無視できない状況になってきたのか、とも感じたのである。

それにしても、夕刊を取らない世帯が多いのには驚いた。実は、私は約40年前、東京・板橋区で朝日260部、日本経済40部くらいを配達したが、朝刊だけという世帯はほとんどなかった。なぜ最近増えてきたのか。私なりに想像すると、経済的な背景、情報入手の多様化、老齢化などであろう。

このまま夕刊が減り続けると、新聞社としては、収入減のほかに、朝・夕刊セット世帯の朝刊と、夕刊を取らない人のための朝刊、別々の朝刊を発行せざる得なくなるのではないのか?また、朝日や読売などの大手新聞社も、夕刊の廃止に追い込まれるのではないのかと心配している。新聞大好きの私としても、由々しき問題になってきた。