元横綱大鵬の病気と飲食について

昨年1月に亡くなり、今年1月に国民栄誉賞を授与された元横綱大鵬に関する著書「知られざる大鵬」が出版されたので、さっそく読んでみた。その中で驚くことが書かれていた。

それは部屋創設から6年目、昭和52年2月、大鵬36歳のことだった。自宅で脳梗塞で倒れ、慌てた妻は近所の掛かり付けの医者を呼び、点滴などの応急処置を施してもらい、信濃町慶應大学病院に連絡を取るのだが、

「土日は部屋が取れません。休み明けの月曜日に来てください」

との返事が返ってくるだけだったので、月曜日までの2日間、自宅で安静にしていたと言うのだ。あの大横綱の大鵬が、脳梗塞で倒れて、自宅で寝ていたとは、びっくり仰天である。

著書の中で、妻は「今の時代だったら集中治療室などもあるだろうし、今でも『もし、この2日間がなかったら…』と、どうしても思えてしまうんです」と吐露している。

それは、そうであろう。その後、大鵬自身は、厳しいリハビリに努めたものの、左半身麻痺の後遺症が残り、歩行は困難な状況になってしまったのだから。多少の後遺症であれば、間違いなく相撲協会の理事長に就任していたと思う。返す返す残念な事態であった。

大鵬は、既に24歳の時に「本態性高血圧症」と診断され、休場したことがあり、高血圧は持病であった。相撲協会診断所の医師の「大鵬親方は血圧が200〜130と高すぎる。ところが、血圧を普通に下げるとむくみが出来る体質なので、親方も日ごろから悩んでいた」という談話もある。

更に、飲食のことも書かれている。

「イカの塩辛や、めふんという鮭の血合いの塩辛が大好きだった。辛いキムチも好物だった。それと、やっぱり酒が好きでね。師匠に『お前はアル中か』と言われたことがあるくらいに、毎日飲んでいた。時に6升の日本酒を飲み干すこともあった」

日本酒6升には驚いてしまうが、私の友人や知人の飲み助は、日本酒大瓶1本、ウイスキー1本を3日で飲んでいる。最後に余計なことを書いて終わりにします。該当者が苦笑していると思うので…(笑)。