朝日新聞の実売部数と経営状態

筆者は、以前から朝日新聞の販売部数が気になっていた。特に、2014年9月の社長による謝罪会見以後、百万部以上減少したという報道に接していたので、どのような経営状態にあるのかを知りたかった。

そうした中で、今月20日発売の月刊誌「Hanada」(2月号)は、まさに“総力大特集 朝日虚報と全面対決!"ということで、朝日新聞を特集している。その中には、「朝日新聞はいつ潰れるのか」(経済評論家・上念司)という記事もあり、非常に勉強になる内容であるので、まずは要旨を紹介する。

○ABC部数によれば、朝日新聞の販売部数は、06年上半期が八百九万三千部、14年11月が七百四万二千部、15年上半期が六百七十八万八千部、16年上半期が六百五十七万五千部、17年上半期が六百二十五万部という。この1年間では、約三十二万五千部のマイナスだったが、16年は二十一万三千部のマイナスだったので、解約ペースは約50%もアップしている。

○販売部数で、問題なのが「押し紙」だ。押し紙率(偽装率)を時系列で並べると、04年−12%、06年−18%、14年−28%、16年−32%と、年々激増している。そこで、17年11月の公称販売部数六百十三万部を、押し紙率32%で計算すると、実売部数は四百十七万部になる。この調子で行けば、18年度中には四百万部割れは確実だ。

朝日新聞社の16年度の売上高は約四千億円で、新聞事業単体の売上は約二千六百億円である。日本企業の平均値の内部留保は、総資産の25%程度であるが、朝日新聞は総資産の約50%(三千八十億円)にも上る。

○早期退職制度の条件が悪化している。10年までは、退職金に加えて年収の五割を十年分、一時金として受け取ることができた。しかし、17年にはこれが年収の四割に減額された。朝日新聞の平均年収は一千二百万円と言われているので、一千二百万円の賃金カットだ。それでも貰える金額は四千八百万円と退職金だ。

○3年前の営業キャッシュフローは約二百億円あった。ところが、仮に17年の解約数(純減数)三十二万五千部を基準に、毎年10%ずつ解約ペースが上がっていくと、3年間で約百二十万部の「新規解約」が発生する。その時、朝日新聞の実売部数は二百万部台に突入し、営業キャッシュフローは百億円前後に落ち込む。これこそが「キャッシュ不足で運転資金が回らなく」状態になる。

以上、朝日新聞の販売部数と経営状態を紹介したが、ある程度は予想した内容であった。しかしながら、新聞店を苦しめている「押し紙率」が、これほどまでの勢いで上昇しているとは、予想もしていなかった。

話は少し横道に逸れるが、筆者が購読している新聞は、朝日・読売・産経の3紙である。集金の際には、配達人と話し込むこともあるので、その際の対話内容を紹介したい。

筆者「今、新聞業界では『押し紙』が問題になっているが、君の販売店はどのくらいのパーセンテイジであるのか」

集金人「うちの販売店で、20%くらいですかねぇ」

筆者「相当あるねぇ。新聞店の中には、半分というところもあるようだが…」

集金人「それは毎日新聞の販売店ですね」

筆者「毎日新聞かぁ。何となく、考えられるねぇ。また、倒産するのではないか。ところで、これだけ『押し紙』のことが報道されると、新聞店に持ち込まれる“折り込み広告"(一枚3.7円)も、依頼者から『まけろ』と言われるのではないか」

集金人「ええ、そう言われているようです。新聞店の販売部数は、信用されていません」

筆者「そうでしょうね。ところで、市役所が週二回発行している『広報誌』、あれは販売店の申告部数を信用して支払っているのか」

集金人「はい、申告部数分を支払っています」

筆者「それでは、市役所はいいお客さんですね」

集金人「(ニコッとして)そうです」

筆者「税金だからと思い、何も疑わずに黙って支払っているんだぁ」

という訳で、如何に市議会議員は、ズボラな人たちであるかが解る。税金の使い方をチェックする機関であるにも関わらず、全く役割にたっていない。いずれにしても、新聞業界は、あらゆる部門で経営が厳しくなっている。皆さん、どんどん新聞を購入して、己の知識を向上させると共に、言論の自由を守りましょう!最後は、ちょっと、脱線したかなぁ。