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丹波実氏が亡くなった!

元駐ロシア大使・丹波実氏が、10月7日に亡くなった。筆者は、3年前の3月6日に「元駐露大使、丹波氏の訴え」という文章を作成した。その時は、テレビ出演した丹波実氏の健康状態を心配して文章を作成したが、その時の印象を思い浮かべたら、よくもここまで元気であったことに驚いている。やはり、近代医学の賜物であろう。

丹波氏と筆者は、北方領土問題に対する考え方は多少違う。しかしながら、丹波氏の発言内容は、外務省の立場での発言であるので、丹波氏の本心とは違うと思う。多分、筆者と同じ思考ではないかと想像している。

丹波氏は、1938年に旧樺太で生まれ、47年に札幌市に引き揚げ、札幌東高、東大法学部を卒業後、62年に外務省に入った。その後、ソ連課長、国連局長、条約局長、駐サウジアラビア大使、外務審議官などを経て、99年から3年間、駐ロシア大使を務めた。つまり、外務省きっての北方領土問題の専門家である。著書には、「日露外交秘話」(中公文庫、405P)がある。

筆者が、再び丹波氏を取り上げるのは、最近の北方領土問題の交渉が官邸主導になり、外務省主流派が片隅に追いやられている印象を受けているからである。つまり、北方領土返還は、四島一括ではなく、色丹島歯舞群島の二島先行返還論に傾いているのではないかと心配しているのだ。

1か月前か、NHKテレビが、北方領土問題の特集番組を放送したが、その際に丹波氏がビデオ出演していた。その時の丹波氏は、悲壮な表情で「北方領土返還を2島だの、半分だの話しがあるが、領土問題は五十年、百年単位で考えるものだ。日本は、法と正義の原則に基づいて交渉しなければダメだ」旨述べていた。全く持って、その通りだと思う。

いずれにしても、丹波氏が亡くなったことは、非常に残念なことである。心からお悔やみ申し上げます。