証券会社の営業マンに騙されるな!

昨年、利用している某証券会社の営業マンが代わり、毎日のように電話してくるので、以前に「月に1〜2回の電話にして下さい」と要望した。ところが、その後も週に2回くらいは電話があり、電話に出なければ、日3回も電話があるし、後から携帯電話の呼び出し時間を見ると1分59秒もあり、イライラする状態であった。

そうした中で、昨日の電話に据えかねて、遂に担当者に対して厳しい言葉を発した。発言の内容を紹介すると、

○君の証券会社とは、もう20年も取引しているが、私は少しも儲かっていない。この間、君の会社は、どれほど手数料で儲けているのか。現在の投資家は「2割しか儲けていない」と述べていた中では、問題ではないのか。

○そもそも証券会社は、お客のことなど、全く考えていない。その証拠に、売買した銘柄のことについて、後日対話の中で説明を受けたことがない。新たな手数料を得るための話しかしない。

○一般的には、どんな仕事でも、お客に損害を与えると、仕事をやり直すか、それ相当の損害賠償をする。ところが、証券会社は、何百万円、何千万円損失させても、口先で「すみません」で終わる。こんな業界、どこにもない。まさに、いい加減なアドバイスして儲けて、責任を取らない、とんでもない業界である。

○先日、某大手証券会社の営業マンが「2009年頃、某証券会社の仙台支店で、認知症の老人が、営業マンの言いなりで5000万円を2年間で70数回売り買いして、3000万円になったことが新聞に載っていた」と話していた。君の会社も、それに近いのではないのか。

○君の話しを聴いていると、お客を不安がらせて今がチャンスとか、聴いたことのない銘柄を突然言い出すとか、まさに心理学の領域で話しをしている。5年、10年しか証券会社と付き合いのない人は、君の口車に乗せられるが、私は君の営業方針を、既にお見通しである。

○君のような営業をしているから、日本では株取引を「博打だ」という人が多いのだ。これでは、いつまで経っても、個人資産が証券会社に流れてこない。

○日本では、証券会社の評判は悪過ぎる。だから、毎年のように、金融庁から行政指導を受けるし、月刊誌「選択」などの雑誌が、滅茶苦茶に書いているのだ。君たちの行為は、日本の金融市場の信頼性を貶めている。以前から言っているが、カネもないから月に1〜2回電話すれば良い。

ーなどと語った。

このほか、この営業マン、筆者が今年の“3.11の式典"をテレビで観ていたところ、天皇陛下の入場5分前に電話をしてきたので、筆者は「今、テレビで“3.11の式典"の中継を観ており、天皇陛下が入場するところだ。今年は東日本大震災から5周年であるが、君の会社では、この時間にもお客に電話をしているのか」と尋ねたところ、担当者は「儲かる話しなので電話しました」と述べたので、「ふざけるな。儲かったことがあるのか。こんな時に電話などしてくるな」と電話を切ってしまった。

何故に、このような文章を書くのかというと、本来、投資家が受け取らなければならない利益が、証券会社の販売手数料に化けている割合が多いと感じたからだ。筆者は、金融市場の大事さを十分理解しているつもりである。何故なら、フランスの経済学者トマ・ピケティが、資本主義経済では土地や株式といった資産を運用して得られる利益率(資本収益率)が超長期にわたって4〜5%あるのに対し、賃金といった所得の伸び(経済成長率)が最も高かった20世紀後半でも3.5〜4%、成熟した国では長期的には成長率は1〜1.5%を超えないと述べているかだ。

要するに、日本人も個人資産を銀行にだけ預けるのではなく、一部を証券会社に預けた方が良いが、日本の証券会社の現状は、今まで紹介した通りである。つまり、投資家が受け取らなけならない利益を、証券会社に取られているケースが多いのだ。

それでは、何故に日本の証券会社は販売手数料狙いの営業になっているかというと、証券会社の人事評価が、手数料の多さで評価しているからだ。つまり、お客の資産を増やすことよりも、金融資産を動かして手数料を得る職員の方が評価が高いのである。そのため、投資家に対して、手数料狙いの電話をしつこくしてくるのだ。これでは、個人資産が金融市場に流れてくるハズがないではないか。

最後は、筆者なりに証券会社の利用方法を伝えたい。先ずは、良い銘柄を証券会社、友人などと相談して購入する。ここからが重要で、投資信託は信託満了日まで、絶対に売らない。株は、絶対に最低5年間は持ち続ける。この間、証券会社から電話があるが、絶対に売らない。営業マンは、会いたがるが、口車に乗せらるので無理に会わない。その間に、配当金などがあり、少しずつ株の知識を持つて、そこから動いても遅くない。証券会社を上手く利用して、営業マンの口車に乗せられないためのアドバイスでした。