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寂しくもあり、悲しい石北本線の現状

4月1日発行の「JTB時刻表」(4月号)を図書館で見た。そして、JR北海道石北本線の時刻表を見たが、実に寂しい内容になった。それは、北海道新幹線が開業した3月26日の前日に、上白滝旧白滝、下白滝、金華の各駅が廃止されたからである。

特に旧白滝と下白滝は、筆者の通学路にあった駅で、当時(1960年代後半)は、共に3〜4人の生徒が利用していた。今でも、下白滝駅(駅員2人)で、朝の通学列車に対して、若い駅員が「下白滝、下白滝」と大きな声を張り上げていた情景を思い出す。生徒たちも苦笑していたが、若い駅員にとっては、一日の中で一番充実した時間であったと思う。

また、旧白滝駅は、元々無人駅であったので、何の思い出も浮かばないが、廃止前には、利用者が通学に使う遠軽高校に通う女子高校生1人だけということで、テレビやネットで大きく取り上げていた。まさに“フイバー"という感じであった。廃止前日には、地元の住民が「旧白滝駅 69年間 ありがとう!」という横断幕を掲げたり、記念切符を販売したり、フルート演奏のセレモニーを行っていた。考えてみれば、よくも最近まで存続出来たものと思う。

筆者の高校時代、上川駅から下り列車に乗れば、天幕、中越上越という駅があり、石北トンネルを通過すると、奥白滝(2001年廃止)、上白滝、白滝、旧白滝、下白滝という“白滝5駅"があった。しかし、3月26日以後は、上川駅〜白滝駅間には駅はなく、寂しい区間になった。この駅間は、距離が37.3㎞(約40分)となり、石勝線新夕張占冠間34.3㎞を抜いて、青函トンネル区間を除く在来線で日本最長になるという。

ところで最近、「最新新幹線事情」(著者=梅原淳)という本を読んだ。その中に、石北本線の現状を説明する部分があったので紹介する。

「…北海道東部の北見市ではタマネギなどを首都圏方面に出荷する目的で専用列車を仕立ている。本来であれば船舶を利用して出荷したほうが運賃は安いそうだが、新旭川ー網走間を結ぶ石北線の存続を図るためにあえて貨物列車を利用しているのだという。

石北線は2012年度の旅客輸送密度が1218人であった。国鉄時代はこの数値が4000人未満の路線は廃止となるか第三セクター鉄道へと転換されていたから相当少ない。石北線には札幌ー網走間を結ぶ特急『オホーツク』も運転されているが、北見市の関係者によれば、もはや旅客が増える見込みは薄いと貨物列車に頼っているのだ。」

即ち、路線を存続させるために、あえて貨物列車の運転が行われているというのだ。寂しい限りであるが、これが石北本線の現状のようだ。