オウム真理教に対する処分、これで良かったのか?

昨日は、オウム真理教による「地下鉄サリン事件」から丸20年に当たるので、新聞やテレビでは、当時を振り返る記事を掲載したり、特別放送を行った。しかしながら、オウム真理教に対する処分を再検討する報道や解説は、全くなかった(我が輩の購読新聞は、朝日と読売)。

それでは、現在のオウム真理教の後継組織である主流派「アレフ」と傍流派「ひかりの輪」の組織実態は、どうなっているのか。

○拠点施設は国内15都道府県に32か所。

○構成員は国内約1650人<出家300人、在家1350人>(うちアレフが約1450人)、ロシア約160人で、3年前より国内で約150人、ロシアで約20人増加。

○保有資産は約6億5000万円で、00年の約3800万円から約17倍に増加。主な収入源は、構成員からの布施やセミナー参加費で、毎年約8000万円のペースで増加。

この際、改めてオウム真理教に対する処分を考えたい。日本の首都・東京のど真ん中で、猛毒のサリンをバラまいて、13人死亡、6000人以上が重軽傷という「地下鉄サリン事件」(「松本サリン事件」では、8人死亡、143人が重軽傷)という“テロ事件"を起こした教団が、現在は国家権力の観察処分下にあるものの、未だに正々堂々と不動産を購入したり、勧誘活動を展開したり、これが民主主義国家のあるべき姿なのか、という疑問である。国は、教団を「破壊活動防止法」という法律で解散させる手続きを進めたが、旧社会党朝日新聞などの左翼勢力や、ワケのわからない市民団体が、破防法適用に猛烈反対したことで、遂に教団に破防法は適用されなかった。そもそも、左翼の人たちは、以前から自衛隊公安調査庁は、憲法違反の組織との考えで、反対運動を展開してきた。

あれから20年の年月が経ち、この現実を左翼の人たちは、どのように見ているのだろうか。だいたい、左翼の人たちは、先見性や想像力が欠落している。だから左翼の人が、大きな財産を築き、社会のために寄付をしたという話しを聞いたことがない。戦前には、左翼の中には、先見性がある素晴らしい人物がいたものだ。

さて、もう一度、処分を考えたい。これからも、「アレフ」の自由な活動を認めて良いのか。この調子では、あと10年、いや20年後もアレフは今のような活動を行っている。もしも20年後であれば、信徒も当局の人間も、オウム真理教の犯罪を知らない人たちが大多数になっている。更に、引き続き公安調査庁に観察処分を任して良いのか。この現実は、左翼の人たちが思い描いた人権なのか、これが民主主義なのか、これが先進国のやり方なのか、我が輩には大きな疑問である。