再び、北海道新幹線の早期開業を訴える

前回、北海道新幹線の早期開業を訴えたが、14日には2015年度の当初予算案(96・3兆円)が閣議決定された。翌日、各新聞は一面トップで当初予算案の中身を報道し、同時に社説で予算案を論評した。しかし、社説では、北海道新幹線の札幌延伸前倒しの国の負担金に対して、批判的なものが多かった。そこで、各新聞の社説を紹介する。

【読売新聞】

「典型的なのが、整備新幹線の予算だ。与党の要望に応え、北海道新幹線北陸新幹線の開業・延伸を3〜5年早めるために35億円を上積みし、755億円とした。無理をしてまで急ぐ必要性があるのか、疑問は拭えない」

朝日新聞

「この予算案にも首をかしげる項目が多くある。例えば、整備新幹線である。与党や自治体の要望で北海道など3路線の開業時期の前倒しを決めたが、国と地方が投じる公費が膨らむ危険をはらんでいる。分野ごとの縦割りにしばられ、応援団がいる項目は認められる一方、声なき声は顧みられない。そんな予算編成を、いつまで続けるつもりなのか。」

毎日新聞

「3年連続増の防衛費や前年度並みの公共事業費などからも厳しい財政規律を守る姿勢はうかがえない」

日本経済新聞

公共事業費で疑問が残るのは、北海道新幹線北陸新幹線の建設前倒しだ。開業時期を早めて経済効果を引きだす狙いというが、国費で単年度あたり35億円ずつ上積みする費用を上回る効果がはたしてあるのだろうか」

産経新聞

公共事業は全体では横ばいだが、整備新幹線の開業前倒しが盛り込まれた。国や地方の追加負担も伴うものだが、どれだけの経済効果を得られるのか。首相は丁寧に説明する必要がある」

以上であるが、全てボロクソに批判している。しかし、新聞の社説は、これまでも先見性がなく“建前論"が多いことは、歴史が証明している。例えば、朝日新聞、1950年前後の全面講和か多数(単独)講和か、1960年の安保改定、いずれも政府の政策を猛烈に批判したが、歴史は政府に軍配を上げた。

ところで、予算案の中には、北海道開発予算5412億円が含まれている。このうち、一般の公共事業費にあたる「北海道開発事業費」は5312億円で、内訳は高規格道路の建設などの「道路整備」に1918億円、農地再編整備などの「農林水産基盤整備」に1138億円、ダム建設などの「治山治水」に941億円である。要するに、この開発予算の一部を北海道新幹線の早期開業に回せないのかと考えるのだ。

我が輩、一部道民の反発を覚悟で提案したい。現在、道内では、高速道路や高規格道路を建設中であるが、それよりも北海道新幹線の札幌延伸を早期実現した方が、北海道や日本の経済発展に貢献すると思う。つまり、道内の都市間交通が便利になっても、他府県から観光客が増加しないと、結果的に北海道の発展には結びつかないからだ。

東北と関東の人を合わせると、約5千万人である。この人たちは、札幌延伸が実現すれば、間違いなく今よりも多く北海道を訪問する。この状況を一刻も早く実現しなければ、北海道の発展は望めない。

前回も書いたが、11月中旬に熊本市を訪れた。その際、タクシーに乗車して、運転手に話し掛けた。運転手曰わく、

「新幹線開業後、明らかに他県からのお客さんが増えた。但し、以前は直接、福岡空港に向かうお客さんがいたが、今はいなくなった。でも、阿蘇に向かうお客さんや、市内を移動するお客さんが増えたので、ほとんどの運転手は、以前より2割くらい売り上げが増えた」

とニコニコ顔で話してくれた。だから我が輩、これからも札幌延伸を訴えて行きたい。