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北朝鮮による日本人工作の一端

北朝鮮問題に関心を持つている以上、11日に発売された「金王朝『御用詩人』の告白」を読まざる得なかった。著者は、朝鮮労働党中央本部の核心部署の一つである統一戦線事業部に勤務した脱北者・張真成(42歳)である。今週のNHK番組「ニュースウォッチ9」にも出演していた。

張氏が脱北した理由は、統戦部の外に持ち出し禁止の韓国雑誌「日刊朝鮮」を友人に貸したところ、友人が電車内に置き忘れた。そこで張氏は、統戦部の誓約書に「南朝鮮の書籍を流布した場合は、国家反乱罪として処刑する」という文言があることから、友人と一緒に脱北した。しかし、友人は中国で北朝鮮の保衛員に逮捕され、北朝鮮に送還される途中、崖から飛び降りて自殺、本人は2004年4月に韓国に入った。

この著書の中で、驚くべき実態が明らかになった。張氏が北朝鮮の音楽大学に通っていた時、同窓生の女子学生が「私、本当は日本人なの。父親は日本社会党の幹部だ」と言い、さらに母親と二人きりで暮らしており、自分の町内を「現地妻の村」と言った事だ。これだけでは、良くわからないであろう。

金正日は1980年前後、対南工作として「シバチ(妊娠)」戦略を考えた。外国の女性を拉致すると同時に、北朝鮮の美人を海外に送って、白人、黒人、東南アジア人など、外国の男性を相手に“妊娠工作"を繰り広げた。更に、

「これだけではない。対南工作部署は現在でも、訪朝した外国人や韓国人を相手に、現地妻工作を行っている。彼女たちの夫は全員過去に訪朝したか、あるいは現在でも訪朝を続けている、外国の有名な政治家、企業家、記者、宗教家、学者などである。そして北の政権は今でも、現地妻や子供を人質にして、外国人の夫たちに、北に対する友好的な対外支援や協力をするよう要求している」(91頁)

と書かれいる。

以上の工作戦略を考えると、日本から何回も訪朝している人物がいるが、中にはただ単なる観光旅行や友好訪問ではなく、自分の子供がいるために訪朝している人物がいても不思議ではない。特に旧社会党関係者だ。また、金正日の専属料理人だった藤本健二氏も、この工作に嵌められた人物と言えるかもしれない。

もう一人思い出した。タカ派の論客として有名であった自民党のN議員。訪朝以後、突然に日本人拉致事件そのものを否定する発言を始めたことから、多くの国民から強い批判を受け政界から引退した。当時、ハニートラップ(色仕掛け)に陥ったと感じていたが、もしかしたら“妊娠工作"に嵌った可能性も否定出来ない。それくらい、発言内容が変わったからだ。

北朝鮮工作の実態は、平和ボケした日本人にはなかなか理解出来ないと思う。しかしながら、韓国と戦争状態にある事と、独裁体制にある事を考えれば、何でもありの国家なのだ!