政務活動費に怒る

 「地方議員活動費増額の動き」という新聞記事を読んで、頭に血が昇った。地方議員の政務調査費が、今年3月から名称が政務活動費に変更されたのを機に、増額に転じる地方議会が拡大中との事。08年12月付けの日本経済新聞に第2次安倍内閣で経済財政諮問会議議員に就任した日本総合研究所理事長の高橋進氏の「地方議会は必要か」とのインタビューが掲載されている。

 ○地域経済の活性化なしに日本は活性化しません。
○行政改革は政治改革と不可分で、議会にかかる経費が減らなければ行政コストは下がりません。
○現在の議会は利益誘導の場になっており、議員の政務調査費の無駄遣いが目立つ。議員の大半が首長の与党化している地域ではチェック機能も働かない。極論すれば地方議会などいるのかと思う。
○二元代表制の欠点を是正し、例えば小さな町村なら議会をなくして町民総会を置くーというもの。

 夕張市は06年、総額600億円の借金を抱えて財政破綻した際、マスコミは元市議会議員の声を紹介している。「分厚い決算書を渡されても、何もわからない」「市当局が、帳尻あわせをしているとは思わなかった」と4~5期も市議を務めていた人物の発言を掲載していた。この程度の議員に、市議という事で月額30万円以上の報酬を支払っていた。地方議員は、この程度での人物でも務められる事を世間に知らしめた事件であった。

 欧米の民主主義国家では、地方議員は本来ボランティア活動という位置付けである。そのため、人口100万人以下の自治体では、年間報酬はアメリカ50万円、イギリス73万円、ドイツ50万円で、フランスとスイスは無報酬となっている。日本の地方自治研究者一行がある欧州国の地方議会を視察した際、日本の議員報酬を伝えたところ、「我々は間違った国の議員になったようだ」とジョークを言われたと著書で紹介している。皆さまの住んでいる地域の議員は、どのくらいの報酬を貰っていますか。千葉県我孫子市(議員28人)は、議会費3億5千万、一人当たり1千万の報酬です。まさに議員天国日本そのものです。