明大ラグビー部の優勝で思ったこと

先週の土曜日(1月12日)に、ラグビーの全国大学選手権が東京・秩父宮ラグビー場であり、明治大学天理大学を22ー17で下し、22季ぶり13度目の優勝を飾った。翌日の朝日新聞を読むと、我が輩が以前から感じていたことを、「人材の墓場」と表現していた。

記事の中身を紹介すると、

ー「前へ」の精神でラグビー部を67年間率いた北島忠治監督が96年になくなった後、後任監督による活動費の不正使用が発覚した。OB会による監督選びは難航。監督を置かず、複数コーチによる集団指導体制を敷いた。

寮での門限破りが当たり前になるなど規律が緩み、高校日本代表を経験しながら伸び悩む選手も多かった。2000年代に入ってからは低迷し、人材の墓場と揶揄された。ー

というわけで、ズバリ「人材の墓場」には驚いてしまった。その意味では、我が輩の見方は間違いではなかったので、多少誤解を与えるが嬉しくなった。それにしても、ラグビー関係者が「人材の墓場」とは、よくも言ったものだ。

月刊誌「ラグビーマガジン」を購読していると、春に欧州に遠征する高校日本代表選手の多くが、明大ラグビー部に入部することがわかる。最近では、そのような有望選手が帝京大学にも流れて、大学選手権では前代未聞の9連覇を成し遂げた。さらに社会人チームに入ってからも日本代表に選ばれるなど、伸びしろのある選手が多い。一方、明大のラグビー選手は、帝京大学の選手と比べて、伸びしろのある選手が少ない。そのため、あまりにも有力なOBが多いので、伸びしろを押さえているのか、とも考えてしました。つまり、チーム指導を監督に任せられないOBが、いろいろと口出ししているのか、とも考えたのだ。

大学スポーツの監督は、チーム強化と同時に“人づくり"という面もある。それを考えると、監督が3〜4年で代わることは、以前から如何なものかと感じていた。チームづくりや人づくりは、それなりの時間がかかるものだ。例えば、強豪チームの帝京大学東海大学の監督は、既に10年以上監督を務めている。また、大学駅伝チームの監督も、10年以上務めている人たちが大勢いる。その意味で、サントリー時代にエディ・ジョーンズに師事した田中監督には、是非とも10年以上監督を務めて欲しい。と同時に、ライバル校・早大ラグビー部監督も、コロコロと代わるのはどういうことなのか、とも思うのだ。

最後は、良い記事を書いてくれた朝日新聞の運動部記者にもお礼を述べたい。いつも、朝日新聞を批判しているので、良い記事を書いてくれた記者を評価をしなければ、公正とは言えないからだ。そして、優秀な運動部記者には、今後も深層に迫る記事を期待したい。